2021年

コロナ禍の中「新春のつどい」を実施 2021年1月10日

 1月10日、「緊急事態宣言」の中、「新春のつどい」を開催しました。児玉龍彦(東大先端技術センター)さんの話は、今何をすべきかを明らかにしてくれ、「とても参考になりました」と参加者から好評でした。児玉さんのお話は簡単にまとめると、次のようなものでした。
 「入国規制緩和はしてはいけない。国内では、エピセンター(感染の震源地)をとらえ、希望者全員にPCR検査を実施するべき。そのことによって、スプレッダー(多くの人への感染拡大の感染源となった患者)を発見できるし、希望者全員にやることで、みんなが自分の問題と考え、陽性者支援の気持ちになる。ワクチンは迅速に承認して、医療従事者に治験的に投与すべき。アビガンはウイルス消失を早くすることが確定しており、高齢者に使用していくべき。」
 学習の後、参加者で恒例の交流を行いました。

参加者の交流から
 いつも遠方から参加し、トランペットの演奏をしてくださる菅さんが今回は参加できないということでメッセージ参加をくださいました。「現在、保健所勤務をしております。コロナ対策で休日も出勤しております。エンドレス状態ですが仕方ありません。皆様によろしくお伝えください。」
 参加者からは様々なメッセージが発信されました。新自由主義では感染が止められないこと、コロナを利用して何かを起こそうとするたくらみがあるのではないかということ、権力者は我々が選び頼んだのだが、とんでもない人に頼んでしまっていることが明らかになったこと、食料・エネルギーだけでなく、日本は医療も脆弱であることが明らかになったこと、日本が他国(中国など)に学ぼうとしないこと、こうした中で、職場配転の闘いで勝利したこと、県西オンブズマンが立ち上げられようとしていること、日本政府に核禁条約に署名・批准せよという署名を始めたこと、野党共闘で政権交代の年にしようということ。
「いろいろな方々の話が聞けて良かった」との感想が寄せられました。

市立病院の独法化を考える中止になりました

 小田原市立病院が、地方独立行政法人化に向かっていることをご存知でしょうか。2021年度は、その第一歩として、「地方公営企業法の全部適用」が開始されます。 今の市立病院は、「地方公営企業法の一部適用」となっています。「全部適用」となると一番大きく変わるのは、現在市長が行っている経営責任者を「管理者」が行うことになることです。市は「地方独立行政法人化ほどの経営の自由度はないものの、管理者に『職員の人事・給与』『予算』等の権限が付与され、より自立的な経営が可能になる」と説明しています。 公立病院は、高度救急や周産期医療、小児救急、精神科救急、感染症対策など不採算医療(採算性が低く、民間病院では行われない医療)を担っています。それが「全部適用」、さらに独法化となると、独立採算を求められ、「経営」が課題とされるようになります。要は、お金儲けができないといけなくなるわけです。 独法化されると、病院の職員が公務員でなくなります。給与も独自の制度に変わります。独法化された大阪府立病院では、看護師給与が40代以上の昇給なしになり、退職が相次ぎ、年中職員募集に追われました。また、個室が増え、料金が高くなるのをはじめ、各種手数料が高くなるなど、患者の負担が増えていきました。 市は「独法化を視野に入れて」います。すでに独法化されている神奈川県立病院の現場に勤務する労働組合の執行委員長に独法化についてお話ししていただきます。皆さん、ぜひご参加ください。

7 月 11日(日)14:00~16:30(13:30開場)
会場/生涯学習センターけやき 4F 第2会議
最寄駅=小田原駅西口徒歩15分,小田急「足柄駅」徒歩15分      大雄山線「井細田駅」徒歩15分
講師/ 角田英昭さん(自治体問題研究所研究員)
参加費/ 300円

 独法化の実態を見
■大阪府立病院では…
 大阪府立病院は、独法化直後、前年度比17.2億円も収支を改善するなど独法化成功のモデルであるように宣伝されました。しかし、その実態は職員の処遇悪化による質の低下と患者への大幅な負担増です。 その第一の特徴は、徹底した経営論理への転換です。パナソニック出身の副理事長は「病院運営から経営に変えていこう」と発言。電子カルテを見る看護師のパソコン画面には、毎日病床利用率が表示され、80%を切ると赤字表示に変わります。ある医師は「次第に儲けてなんぼというプレッシャーが強まり、病床利用率や在院日数に目標値を設け会議のたびに一喜一憂する風潮は医療になじまない」と話しています。 第二に、職員、特に看護師の処遇の切り下げです。看護師給与は40代以上の昇級をストップしました。これを含む給与費の削減は17.3億円。収支改善とほぼ同額です。この結果、看護師の退職が相次ぎ、年中職員募集に追われ、非常勤職員が激増しています。 第三は、患者への負担増です。独法化後、個室料金は7500円から15000円以上に。最高の部屋は6万円と、ホテルニューオオタニより高額です。緊急入院しなければならない患者が、27000円の個室しか空いていないと言われ「それだったら帰るわ」と言ったそうです。また、紹介状のない患者の初診料やセカンドオピニオン料、分娩料、自動車駐車料などが軒並み値上げされました。退職した医師が、「紹介したがん患者が息も絶え絶えにもかかわらず退院させられそうになった。在院日数の短縮で退院日が決まっているのだろうが、以前はこんな無茶はなかった」と話しているとのこと。
■ 都立病院・独法化第1
 都立病院・独法化第一号の健康長寿医療センター(板橋区、旧老人医療センター)では、病床が711床から550床に大幅削減されました。老人医療センターの時は差額ベッドの徴収が原則ありませんでしたが、独法化されて、141室で最高26000円の差額ベッド代が求められ、さらに入室時に10万円の保証金を支払わなければなりません。 「健康長寿医療センターの過去・現在・未来調査委員会」の住民アンケートには「差額ベッドしか空いてない。お金があるかないかで医療の選択肢が狭まるのはつらい」(50代女性)、「貴重な老人専門なのでお金がかからないようにしてほしい。独法から戻してください」(60代女性)という声が寄せられています。 健康長寿医療センターの元看護師は「看護師は全体が若くなる一方、30代以上の看護師を優遇しないことで離職者も増え、看護の質低下につながるおそれもある」と指摘しています。
■神奈川県では…
 2010年に神奈川県は、県立5病院(がんセンター、循環器呼吸器病センター、精神医療センター、こども医療センター、足柄上病院)を独法化しました。 独法化の目的として、「安定した経営基盤を確立し、今後も担うべき役割を持続的に果たしていくため」「効率的かつ効果的」「より経済性を発揮することができる」(2018年1月26日「都立病院経営委員会報告」)ということが、どこでも言われます。 ところが、神奈川県立病院機構の理事長による「通知」(令和2年度当初予算編成要領)には驚くべき記述があります。「平成30年度決算では、(略)25億1200万円の経常損失を計上と、繰越欠損額は94億6700万円を計上する危機的な状況になっており、医業収支比率、給与比率及び経常収支比率はいずれも年度計画の目標を達成することができなかったことから、収支改善に向けた取組みをより一層推進していく必要がある。」 独法化することで、理事長自身が認めている「危機的」財政状況になってしまっているわけです。

東北アジアの平和をどうつくるか

4月29日(木)14:00~16:30(13:30開場)

会場/城北タウンセンターいずみ ホール

    最寄駅=大雄山線「飯田岡駅」徒歩10分

        小田急「富水駅」徒歩15分

講師/ 浅井基文さん(元外交官、政治学者)

参加費/ 500円 (資料代)

●中国や朝鮮の「脅威」を口実にした「敵基地攻撃力保有」を突破口に「安倍なき安倍改憲」に突き進む菅政権。「気候正義」を視野に入れた新しい社会の構想において、「東北アジアの平和をどうつくるか」という問題は避けて通ることができません。例年は憲法記念日ですが、今年は、「昭和の日」に、元外交官である浅井基文さんに縦横に語っていただきます。

●中国・朝鮮の「脅威」、テロ活動を口実にした「安全保障」論はまやかしであること、日本が行なった侵略戦争・植民地支配の反省のうえに9条を始めとした日本国憲法の平和的民主的条項がつくられたこと、日本軍「慰安婦」問題も強制連行・強制労働の問題もこの歴史認識の視点から考える必要があること、海外で戦争ができる軍事大国化とグローバル競争国家化・雇用の不安定化・社会保障の切り捨ては一体のものであること...、学びたいことはたくさんあります。学び行動することによって改憲阻止の展望を切り開きましょう。

 

駅頭で再採択問題を訴える  6月19日(土)

 6月19日(土)、小田原革新懇会員の小山田大和さんの呼びかけで、有志16名が参加して、雨の中、小田原駅東口交番前で、中学歴史教科書の再採択の問題を訴えました。月末まで教科書展示会が開かれているので、ぜひ行って、意見を書いてきてほしいこと、7月27日(火)には採択の会議があり、傍聴してほしいことなどを訴えました。写真にあるように大学生や若い人も、マイクを握ってくれました。

 

 


第23回小田原革新懇総会  6月20日(日) 於:マロニエ集会室202

 6月20日(日)、小田原革新懇第23回総会を開催しました。総会の中では、小田原市政の問題で様々な点が指摘されました。
議会の中で保守の分裂が起こっていること、政策監をやがて副市長に据えようとしていること、オリンピックに小中学生を観戦で派遣しようとしている問題、そして教科書再採択の問題などです。 小田原革新懇の課題としては、近隣の革新懇と連携できないかとの指摘もありました。最後に、「直ちに五輪を中止し、全てに優先してコロナ対策に全力で当たること」を決議して閉会しました。

[2021年度活動方針]

 決定された方針の概要を示します。
1.改憲発議を許さないため、西湘市民アクション、地域9条の会、西湘憲法センターなどの団体と連携し、闘いを進める。
2.地球環境問題(温暖化・それに伴う防災・海洋汚染・化学物質汚染の問題などなど)に関心を寄せていく。解決には、根本的な社会のシステム変更が鍵となる。社会の在り方、まちづくりの在り方を考えていく。また、原発をなくす運動を進めるため、さよなら原発小田原アクションと連携、再生可能エネルギー拡充のため、「あしがら金太郎電力」の取り組みを応援する。
3.「戦争体験を聞き語る会」は、一日開催とし、名称を「戦争と平和を考えるつどい」に変更する。
4.革新懇ツアーは、新型コロナウイルスの影響の状況から実施は当面無理と考える。
5.守屋市政のもと、進められている「まちのデジタル化」「市独自の学習状況調査」、さらに国の押し付けにより前市政から展望されている「市立病院の独法化」について重大な関心を持ち、必要に応じて学習会や行動提起をしていく。
6.昨年採択された歴史教科書を、再採択するなど、守屋市政が何をしていくか予断を許さない。守屋市政をウオッチしながら必要な対応を臨機応変にしていく。
7.日本政府は、唯一の戦争被爆国でありながら、核兵器禁止条約への署名・批准を拒否している。世界の平和のためにも、日本が署名・批准をすべきという意見を上げていく世論づくり、また署名・批准できる政府に変えようという世論づくりに取り組む。
8.当面100名の会員目指して、会員拡大に取り組んでいく。

 

「新しい民主主義」とは? 6月20日(日) 於:マロニエ集会室202

 総会に先立ち、「ジェンダー平等が切り開く新しい民主主義を考える」と題して、飯田洋子さん(日本共産党ジェンダー平等委員会事務局次長)に講演していただきました。
 従来の民主主義は、女性(=ケア労働者)を排除し、ケアを担わなくてよい男性のみを市民と認識してきた。しかし、本来ケアは、よりよく生きるために本当に価値のあるものであり、現役世代の多くは、日々、もっと家族とともに過ごし、その必要に応えたい、友人たちと語り合いたい、ビーチクリーンに参加したい、といった様々なケア要求を抱えながら、ほとんどの時間を仕事に費やしている。
 「新しい民主主義」は、あらゆる人が、できる限り完全に、ケアの配分に参加できるシステムである。賃労働時間を短縮し、ケアを担う時間を保障し、全ての政策決定をジェンダーの視点で貫く(具体例として他国の除雪の例が挙げられていました。ジェンダーの視点に立つことで生活道路が優先され、骨折などが減り、医療費の削減になったとのこと)。そして、政治を女性化する(平和を取り戻す)。
 以上がお話の概要でした。
「『新しい民主主義』を革新懇としても、自分自身としても共有・実践していけたらと思います」などの感想が寄せられました。

小田原市立病院の独立行政法人化は何をもたらすのか 4月17日(土)

 4月17日(土)、UMECOで「小田原市立病院の独立行政法人化は何をもたらすのか」という内容で、神奈川県立病院労働組合執行委員長の鮫島彰さん(右写真)からお話を伺いました(日本共産党小田原市委員会・小田原市議会共催)。

「一部適用」「全部適用」って?
 市立病院は4月から「全部適用」に移行し、病院長だった川口竹男さんが、事業管理者になりました。
 「地方公営企業法」という法律があります。地方自治体は、水道、交通、病院などの市民からお金をもらう事業も行っています。この法律は、その公営企業の組織・財務・従事する職員の身分などについて定めたものです。今までは市立病院はその法律の財務会計に関する規定のみを適用(一部適用)していましたが、今年から全部適用することになりました。そうなると、今まで市長にあった組織や人事などの権限が事業管理者に移行することで、公営企業としての独立性が強化されるということになります。
4年連続黒字だったのになぜ?
 小田原市立病院は、2016年度から4年連続黒字でした。それなのになぜ、変えなければならないのでしょうか。それは国からのガイドラインの押し付けがあるからです。
神奈川選出の議員、菅さん(現総理)が総務大臣の時に作ったもので、「病床使用率が7割未満なら病床数を減らせ」「3年以内に経営効率案を作れ」「近隣病院との機能重複を避けろ」(足柄上病院との連携がこれによるもので、上病院で産科業務を廃止することに)「民間移譲を検討して5年以内に実施しろ」というような内容が盛り込まれています。その後、より一層の統廃合や民営化を押し付けようとしているのです。

独法化=「自分たちの病院」でなくなること

 「全部適用」になったものの、職員の身分は公務員のままですし、制度上独自の給与設定が可能になるとはいえ、市長部局や水道等他の全部適用事業との均衡を考慮し、それらの給与制度に準じる運用例が多く、さほど大きな変化はないと思われます(ただし、医療政策と病院経営の分離が生まれ、政策の一体性が確保できなくなる危険性もあるので、注視していかなければなりませんが)。
しかし、「独法化」となると大違いです。

利用者負担増と医療の後退に

 「独法化」とは、市が別の法人格を持つ団体を設置し、法人理事長が病院運営の権限を持つことを意味します。組織、人事(任免)、予算等の権限は理事長が持ち、職員の身分は公務員ではなくなります(神奈川県立の5病院はすでに独法化されていますが、組合があるため、しっかり団体交渉して給与レベルも下げていないそうですが、小田原市の職員の場合、組合がないので、心配だと鮫島さん)。
 すでに独法化した病院では、利用者の負担増と医療の後退が起こっています。収益を上げるため、保険給付されない患者の自己負担額が増えていきます。06年に独法化された大阪府立病院では、セカンドオピニオン料が、7,000円から21,000円に値上げされ、分娩料金が93,000円から180,000円に値上げされました。このほかにも1日に何万円もの高額な差額ベッド代(1~4人部屋に入ると全額自己負担の室料がとられるのをいう)を取っている病院もあります。人件費を削減するため、看護師等の給料を削減した病院もあります。このため、この病院では多くのベテラン職員が辞めていき、新規採用の職員が多くなりました。さらに、新規募集をしても人が集まらず、人員が不足して、過密・長時間労働が強いられるようになりました。こうして医療が後退していくことになるのです。

自治体病院は「自分たちの病院」
 自治体病院が他の医療機関と異なるのは、地方自治体が設置する行政機関であり、選挙でえらばれる首長、地方議会、そして最終的には選挙権を持つ住民が設置や運営の在り方に関与できることです。「自分たちの病院」であるのが、自治体病院です。
 独法化されると、独立採算と経営効率化を求められ、料金(健康保険制度外)の変更なども議会の審議なしに行われます。赤字が蓄積すると民間への売却や事業の廃止の可能性もあります。地方独立行政法人は自治体病院の経営形態としてふさわしくありません。
独法化反対の闘いを!

 独法化は、新病院が出来上がった後に狙われるのではないかと考えます。まだ時間はあります。「一部適用→全部適用→独法化」は当局の思いでしょうが、レールではありません。「先行の独法化の実態を訴える」「『地域医療を守る会』を作り署名を集める」など皆さんの知恵を集めて住民に知らせ、反対世論を大きく広げる闘いをしていくことが必要です。

 

「デジタル化に関する意見交換会」での心配の声 4月10日・11日

 4月10日(土)、11日(日)に行われた市の「デジタル化に関する意見交換会」には112人(5会場合計)が参加しました。しかし、スーパーシティについては国の資料だけで、「スーパーシティ法とは何か全くわからなく、本日の説明を聞けばわかるかなと聞いたが、ますますわからなくなった」「本日の説明を聞いている中でも、このデジタル化の狙いや何をしたいのかがはっきりとわからない。あくまでもデジタル化は手段である。まずは、目的は何なのかをはっきりさせなければいけないのではないか。」「デジタル化を推進することによって、市民はどのように利益を受けることができるのか、その点の説明が足りないと思う。」「説明を聞いても、何をしようとしているかわからなかった。パブコメに関して市ホームページで紹介されている内容の方がまだ分かった。」と参加者から不満の声がたくさん出されました。
「説明会をやりました」というアリバイ的な会だったと言われても仕方ないかと思います。

デジタル化なのに「電話予約」?オンラインなし?
 痛烈だったのは、「今回の意見交換会について、予約方法が電話での申し込み方法しかなかった。そのようなアナログなやり方で、今後デジタル化を推進していけるのか。」「申し込み方法を見ると電話予約のみであった。デジタル化を進めるのに電話?と疑問に思った。」という意見でした。それに対して市は「スマホ等を使用しない方にも意見交換会に出席いただきたいという思いもあって電話予約とさせていただいた。」と回答。電話予約も併用すればよかっただけの話ではないかと思いました。
 さらに「つくば市のデジタル化の説明会はオンラインでした。なぜ小田原はオンラインでやらなかったのか。また政策監について情報公開をした際、郵送でお金の請求をされた。メールでできるようにすればよいではないか。そういうのを解決するのがデジタル化だとつくば市では言っていた。」との指摘。もっともだと思いました。

市民の同意を図るべき
 この会の広報についても意見が出されました。「本日の意見交換会の広報がされていなかった。私の周りはみんな知らなかった。」「この人数でよかったのか。49人の定員に対してこの人数(15人)は少し寂しい。宣伝方法がいけなかったのではないか。」との指摘がありました。
さらに「申し込み制度をとったことなど、数十人程度に説明しただけで国への申し込みを行っていいものなのか。もっと市民の同意を図るべきではないのだろうか。」「国への提出が16日だと思うが、本日の私たちの意見は反映されるのかと不安を感じる。」「16日の提出のためにこのタイミングで意見交換会をするということに、やはり疑問が残る。少し拙速だと思う。」という指摘がされました。

プライバシーは守られるのか?
 内容については、デジタル化を進めることで行財政のスリム化を期待する声や、デジタルが人の幸せにつながることを期待する声もありましたが、圧倒的には、心配・不安の声でした。代表的な意見を紹介します。
★結論から言うと反対。2019年に片山さつきさんが中国に行かれて、スーパーシティの連携強化の約束を交わしているというところで、中国の超監視社会をモデルにしているところに懸念を抱いている。データを一括に管理するのは民間企業なのか。外資企業も入っているのか。国や自治体に求めれば、市民がどこに行って、どこで買い物をしているかなどのプライバシーに関することが、市民の同意なく企業側に提供されてしまうのであればプライバシーの侵害に当たると思う。また、セキュリティーに不備があれば、個人情報が流出することになるし、外資も入っているのであれば、海外にも流出してしまう。その点が心配だ。カナダのトロントではデジタル化について、住民の反対で中止になった。
★一番問題だと思うのは、すべての個人情報がマイナンバーに集約されることだと思っている。病院の情報や学校の情報、買い物情報などがマイナンバーに集約されると、万が一、個人情報が漏洩した際に大問題となる。絶対に漏洩しないとも言えないだろうし。反対である。交通渋滞の緩和について、町中にカメラが配置されると個人の行動が監視される社会になってしまう。プライバシーの侵害である。反対である。
★情報基盤整備について、一番心配しているのは、市で集めた個人情報は民間に渡すのかということ。個人情報について、お金を出してでも欲しいという業者もいる中で、個人情報の漏洩問題についてどのように考えているのか。また、デジタル化の推進により市の業務が民間に移行されることによって、市職員数が減少することとなり、これまでの住民サービスが疎かになるのではないかと心配している。
★防災分野は賛成できる。医療・健康分野は気になるところがあり、不安である。教育分野は、子どもの健康、成績等をデータ化することについては、民間の教育産業が恩恵を受けるだけではないか。様々な個人情報を扱うということが大変危険だと感じる。憲法13条に抵触する危険性があるのではないか。個人情報の漏洩にどのように対応するのか、また、市民にどのように同意を取るのか、そういったところが気になる。


スーパーシティ構想に対する市民意見の募集結果について

 「スーパーシティで目指すまちのイメージに対する市民意見の募集結果について(全文)」を市のデジタルイノベーション課から入手しました(いわゆるパブリックコメントです)。応募した件数は、14件。まるごと賛成は1件もなく、「大規模震災の際の避難路確保・緊急車両の管理システム」に絞っての提案が1件、同じく「大規模災害の時の防潮扉の遠隔操作」に絞っての提案が1件、「主体は人間に」すべきとして、より現実的な提案をしているのが1件。一部賛成・一部反対の意見が2件。あとの9件は「反対、または、どちらかというと反対」でした。反対意見を紹介します。

住民の監視につながるから反対
 スーパーシティ構想は、AI(人工知能)やビッグデータなどの最先端技術を活用して、一層便利で快適な暮らしを実現するとしています。その内容は、散在する住民の多種多様な個人情報をひとまとめにして実施主体である企業が一元管理し、ビッグデータとして新たな商品やサービスを開発し利益を生み出すために活用します。住民の住所、氏名、年齢、マイナンバー、顔写真、健康状態、預金口座をはじめ、スマートフォンの情報など詳細な個人情報をリアルタイムに把握し、分析し、プロファイリングし蓄積活用する。その際、社会公共の利益が優先するとして、本人の同意なしに活用する可能性が濃厚です。小田原市は、住民のプライバシーと権利の侵害、そして住民の「監視」につながる恐れのあるスーパーシティの区域指定は受けるべきではないと考えられます。
※この方の意見はこの後、各分野で予想される具体的な個人情報を述べ、「街中にカメラが設置され、顔認証で住民の行動軌跡がリアルタイムに把握され、住民の『監視』も可能になる」とその危険性を示します。さらに「住民監視が世界一進んでいる中国の杭州を見本にしている」点、危険だとしています。
情報漏洩事件が後を絶たない中で
 構想の教育分野について意見を述べます。「学校情報、健康情報、塾の成績など子供に関する情報を一元化した教育の最適化」とあります。これはとても恐ろしいことだと思います。子供に関する学校情報(これは成績のみならず、保護者の情報も含まれると思われます)、健康情報(学校で検診を行いますが、学校情報と別立てに書いてあることから病院の情報だろうと思います)、そればかりか塾の成績まで一括把握してしまおうというのですから。子供の側から考えると、まさに監視体制ができてしまうことを意味します。しかも、選定事業者は企業です。企業にすべて把握されてしまい、情報漏洩が起こったら大変です。起こらないようにすると言うでしょうが、今年の1月から3月10日までの短期間でも、漏洩事件は日本で20件以上も起こっています。起こらないとは決して言えません。さらに把握された情報は、企業にとってはとても魅力的なものです。しかし、把握された側にはメリットがあるどころか、知られたくないものばかりです。デジタル化は、情報を把握された側にこそ、大きなメリットがなければなりません。メリットが感じられず、恐怖すら感じられる一元化は、絶対にやるべきではありません。
特区への応募は即刻取りやめるべき

その他の人たちの声を、短くして紹介します。
★ビッグデータは大企業などにとっては宝の山。市民にとってのメリットはほとんどない。今市が取り組んでほしいのは、コロナで苦しむ業者への厚い支援であり、大規模な社会的PCR検査ではないのか。特区への応募は即刻取りやめるべきである
★デジタル化は、すでに優位さを持つ先進的な活動を加速するものとなるより、困難を感じている人々を救い上げる取り組みであってほしいと思う。
★コロナ禍の今、スーパーシティ構想よりもコロナ対策を全職員が優先させるべきであると思います。
市内どこでも常時Wi-Fiを使えるように整備するのが先だと思う。
★監視されるような環境では居心地が悪く、いのちが縮むような気がします。自然環境や人間関係を壊すことのないまちづくりであってほしいと思います。
★市民への周知もほとんどなく、しっかりとした議論のないまま進められるのは反対です。公募(特区への)はなしにして頂きたい
★デジタル化は長・短があり、短のことを考えると性急にスーパーシティの申請を進めるべきではないと思います。
★デジタル化を活用した便利で豊かな暮らしを否定するものではありませんが、提案されているイメージは、総じて「憲法13条」で保障されている個人の評価や尊厳、幸福追求権の尊重に抵触する危険性と隣り合わせです。問題点がいろいろあり、拙速に国への特区指定公募には申請しないよう願います。
★説明不足と思います。市民が望んでいる事業ですか。声がたくさんあってすすめているのでしょうか。怖さを感じます

 

薬は誰のものか~エイズ治療薬と大企業の特許権~

日時/2021年7月11日(日) 14:00~16:00

場所/けやき4F第2会議室

ドキュメンタリー映画『fire in the blood』(薬は誰のものか)は、2013年にインドで製作された作品です。監督のディラン・モハン・グレイ氏はこれまでも数々の社会派ドキュメンタリーを製作してきました。
 映画は、アフリカ諸国やインドなどでHIV/エイズに苦しむ人々の姿と、患者にとって医薬品がいかに大切で、生きる希望を与えるものかを伝えます。そして大企業の持つ医薬品の「特許権」が、こうした人々が医薬品を手にすることを阻んでいる現実―。そこには欧米諸国の政府と企業が一体となって進めてきた自由貿易推進がありました。
 WTOやTPP、TiSA、RCEPなどの貿易協定の中で、医薬品の特許権はどんどん強化されようとしていることに、国際市民社会は懸念の声をあげています。
 薬は誰のものか――。
 貧富の格差が、医薬品アクセスや治療の格差につながることを、私たちはただ見過ごしてもよいのでしょうか?
 大企業の薬の特許のあり方や現在の貿易や経済のあり方は、本当に私たちを幸せにするのでしょうか?
 映画は多くのことを私たちに問いかけています。
 エイズのときとまったく同じ構造が、 新型コロナウイルスのワクチンをめぐって表面化しています。 今こそ、もう一度、あのとき何が起こ ったのかを私たちは学ぶ必要があるのではないでしょうか。

学習会を振り返って

 新型コロナのワクチン格差は鮮明で、北米では人口の30%、欧州では28%が接種を完了したのに対し、南米は約11%、アジアは8%にとどまり、アフリカは1%に満たない状況です(6月24日現在)。ワクチン格差を是正し、世界全体に公平にいきわたるようにすることが、パンデミックを終わらせる最大の課題です。そしてそれを阻んでいるのが「大企業の特許権」です。「特許権か命か」「利潤か命か」の攻防が世界では続いています。これは、エイズの時と全く同じ構造です。今こそ、もう一度、あの時何が起こったのかを学ぶ必要があるのではないかと考えて7月11日に上映・学習会を実施しました。
 残念ながら参加は少数でしたが、「資本主義で行きつくところは『命よりもお金』だと思いました。」「特許権。今まで考えていなかった。薬の開発には公的資金がかなりつぎ込まれているのに特許権を主張し、原価はわずかなのに値段をものすごく高く設定して儲け、株主の配当や販売促進費用などに使っている。不公平だと思う。薬は誰のものか、考えさせられた。」「世界的なエイズ感染者たちの闘い、世界的な運動があって動いたことが分かった。世界的な運動・闘いが大事だということが分かった。」などの感想が寄せられました。

 

歴史教科書、自由社採択せず!

 小田原市教育委員会は昨年採択を決めたにもかかわらず、自由社の教科書が文科省の検定に合格したため、歴史教科書のみ採択をやり直す決定をしていました。そして、7月27日に定例会を開き、教育長と4人の教育委員全員が、昨年採択されて現在使用されている帝国書院の教科書を選びました。
傍聴に27人もの人とマスコミも
 定例会には、マスコミも含めると30人ほどが傍聴に訪れました。委員会が用意した席では収まらない関心の高さでした。小田原革新懇の会員・関係者が傍聴者の3分の1ほどを占めていました。
各教育委員の発言から
 帝国書院の教科書の「タイムトラベル」というコーナーは全員が評価していました。「見開きでその時代のイメージを視覚的にとらえていて、興味をひく」との評価です。
それ以外で、各委員の帝国書院を推す主な理由は次の通りです。

・「未来のために歴史を学ぶ」という歴史学習の目的が明快で、グローバルな視点や多様性をふまえて いる
・事象の裏にある人々の思いを大切にしている
・興味が持て主体的に学べ、思考力・表現力をつけることができる
・資料もバランスがよく、巻末の年表もとても見やすい
・その歴史的事実が起こった理由を考えさせ、その教訓を現代に生かそうとしている

 最後に栁下教育長が「現場の教員からも資料も豊富で見やすく使いやすいとの声が多かった。現場の意見は大きい。」と現場を大切にする指摘がされたのが印象的でした。
 なお、井上委員はただ一人、自由社の教科書に言及し、「チャレンジのコーナーがあり幅広い問いがあるが、中学生には難しい印象がある」と指摘していました。

多くの人の行動のおかげです!
 自由社の教科書が採択されなかったのは、この間の多くの人の行動の成果です。
 小田原駅頭での宣伝行動に参加してくれた人たち、マイクをとって訴えてくれた人たち。
 教科書展示会に行って、たくさんの意見を書いてくれた人たち。中には「2回行って、筆跡を変えて書いてきた」とおっしゃっていた人もいました。このたくさんの意見は、教育委員がすべて読んでいるはずです。
 ネット上で声を広げてくれた人もたくさんいました。
 そして当日委員会の傍聴に参加してくれた多くの市民。
 こうした声に教育長をはじめ、教員委員が応えてくれたのだと思います。
 3年後にも採択が行われます。その時にも油断することなく、見守っていきたいものです。

自由社の教科書ってどんなものなの?
 自由社の教科書は、太平洋戦争を「大東亜戦争」と表記しています。日本のアジア侵略を合理化するために唱えられたスローガンである「大東亜共栄圏」(日本を盟主に東アジアに共存共栄の広域経済圏をつくりあげるという主張)から名付けたものです。  
 その表記からも推察されるように「アジアの解放をかかげた日本は敗れたがアジアは植民地から解放され、独立を達成した」と、侵略して多くのアジア人を殺害した事実を軽視し、戦争を美化している教科書です。しかも戦争の終結は、「私はどうなってもかまわない」との天皇の「聖断」によったと書いています。
 沖縄戦の記述は、「この戦いで沖縄県民にも多数の犠牲がでた。日本軍はよく戦い、沖縄住民もよく協力した。」と、これだけです。沖縄が捨て石にされたことも、ひめゆり部隊のことも鉄血勤皇隊のことも集団自決のことも何も書かれていません。
憲法の扱いもあからさまです。大日本帝国憲法については「憲法を賞賛した内外の声」というコーナーを設け、イギリスの新聞が「夢のような話だ。これは偉大な試みだ」と書いたなど、絶賛しているのに対し、日本国憲法については「政府はやむを得ずこれを受け入れ」たと「押し付け憲法」と受け取れる書き方にしています。

戦争と平和を考えるつどい

 小田原革新懇恒例の「戦争体験を聞き語る会」を、名称を変更して開催します。昨年同様、1日を使っての、しかも、展示あり、映像ありの会としました。関心がおありの時間帯にご参加ください。    ※会場での飲食は不可です。

 8月 1日(日)10:00~16:00(13:30開場

 会場/尊徳記念館 視聴覚室

   最寄駅=小田急「富水駅」徒歩10分  資料代/ 300円(学生さん・子どもさんは無料)

 パネル展示(終日)

  ・日本軍「慰安婦」

  ・南京大虐殺

  ・靖国神社

  ・BC級戦犯 など

【第1部】「韓国・朝鮮人戦犯の悲劇」上映 10:00~11:30(90分)

戦時中に日本軍の軍属として働き、BC級戦犯として裁かれた人々がいるのをご存じでしょうか。その1人、イハンネさんは、捕虜監視員を命ぜられ、敗戦後、BC級戦犯として死刑を言い渡されますが、後に減刑され巣鴨プリズンに収容されました。日本人として裁かれたのに、1952年にサンフランシスコ講和条約が発効すると、日本国籍を失います。そのため、日本人にはある恩給や補償が何も受けられず、祖国に帰れば、「対日協力者」として非難されるため帰ることもできず、苦労しながら日本に住み続け、日本政府と闘い続けました。イハンネさんの生涯を描いた作品です。

TBS報道特集ー最後の韓国人元BC級戦犯の死~届かなかった訴え~

11:30~12:00(25分)

 身分回復と補償を求める裁判も、「1965年の日韓条約により解決済み」とされ、訴えが退けられます。 2016年に人道的配慮から見直すべきとの動きが超党派で進められ、法案提出の準備までいったにもかかわらず、国会審議にいたらず、2021年3月29日イハンネさんは、外傷性くも膜下出血のため96歳で亡くなってしまう。

【第2部】「朝鮮人BC級戦犯問題を通して戦後の日韓関係を考える」     13:00~14:00       問題提起=相馬勇二さん

【 第3部】「石の証言~平和の塔の真実~」 14:30~15: 45

宮崎市平和公園にそびえる平和の塔。そこには「八紘一宇」の文字があります。これは「世界を一つの家とすること」という意味であり、大東亜共栄圏を理想とする大日本帝国の大義名分・スローガンとして利用されたものです。塔の四方を取り囲む土台には日中戦争に、国内外の日本人団体や中国各地に展開していた日本陸軍部隊から送られた1700個以上にのぼる石がはめ込まれています。この作品では侵略地からの石に絞り、ルーツを取材し、時代背景、日中両国の関係者の証言をもとに、建設当時の平和の塔の隠された真実に迫ります。そして軍国主義のスローガンとしての「八紘一宇」が平和の象徴としてすり替えられていく過程を明らかにしていきます。

「平和の塔のこれまでとこれから」
  問題提起=相馬勇二さん

「第23回戦争と平和を考えるつどい」来館者の感想

 8月1日(日)、尊徳記念館で「第23回戦争と平和を考えるつどい」を開催しました。午前13名、午後14名、延べ27名の参加がありました。午前の部では主に韓国人BC級戦犯のイハンネさんのことを取り上げ、午後の部では、韓国・朝鮮人に対する差別の問題と、「平和の塔」と名付けられた、まさに「侵略」の事実を示す塔について学びました。参加された方の感想を紹介します。

パネル展示について

★靖国神社・慰安婦・重慶爆撃・平頂山事件など資料がよく集められていて良かった。参加者の年代を考えると、字のポイントをもう少し大きくする必要があるのでは(そのまま拡大コピー)。

★ずいぶんたくさんのパネルを作ったのですね。ご苦労様でした。時間があまりなく、しっかり見ることができず、残念。特に「慰安婦」のあたり。

★説明付きでもっとゆっくり見たかった。遊就館はもう一度行ってみたい。

 

イハンネさんのことについて
★BC級戦犯については耳にしていましたが、このようにしっかりと見聞したことはなかったので、勉強になりました。今後も見守っていきます。
★以前に報道特集をTVで見て感銘を受けました。彼らをサポートした医者の言葉が身に沁みます。
★BC級戦犯李鶴來(イハンネ)の一生、すごいね。

チョンは朝鮮人をバカにした表現

相馬さんの体験を聞き、差別について参加者で考えあいました。その中の発言を紹介します。

★「バカでもチョンでもできる」「バカチョンカメラ」という言葉の「チョン」が朝鮮人をバカにした表現だというのを初めて知った。

★職場の中で、「あいつは4つ(よつ)だ」と言っているのを聞いた。被差別部落の人は、犬狩りや屠殺など4本足の動物を殺す商売をしていたことから、「4つ」は被差別部落の人をバカにした表現だと知り、「橋のない川」を読んで勉強したことがある。

「平和の塔」について

★「八紘一宇」という言葉の意味、再度確認した企画でした。歴史の史実を学ばない日本の教育の罪が、今の軍事力の台頭を許していると思う。若い人たちにどうしたらこういうことを学んでもらえるのか。もっと工夫したやり方はないのかと考えさせられる。街頭に出て、パネルを見てもらう方法はないのでしょうか?

★「八紘一宇」→「平和の塔」→「八紘一宇」への変遷が良く分かりました。「八紘」は日本の侵略思想のバックボーンとなっていたものが、「オリンピック開催」に転用されているような気がしました。

大東亜聖戦大碑

宮崎県宮崎市にある「平和の塔」は、実は「八紘一宇」(世界をひとつの家とすること。日本の海外進出を正当化するためのスローガンとして利用された言葉)という文字が刻まれ、その土台には侵略した世界各地から奪ってきた1700個以上の石がはめ込まれています。

戦後、戦争責任追及から逃れるために「八紘一宇」の文字が削られ、何と東京オリンピック(1964年)では国内聖火リレーの起点にされて国際舞台に登場します。国民の多数が知らないのをいいことに、侵略のシンボルを平和の祭典に利用したのです。そして、その翌年には「八紘一宇」の文字も復元され、敗戦からわずか19年で完全復活を遂げることになりました。

 過去の戦争は、この例に見られるように現代にも引きずられています。憲法改悪もそうですが、標題の「大東亜聖戦大碑」もそうです。

 これは、金沢の石川護国神社に建てられた、高さ12mに及ぶ石碑です。1995年「戦後50年決議」(植民地支配や侵略行為がアジア諸国民に与えた苦痛を認識し、反省の念を表明する)が採択されたことを「亡国の謝罪」であると怒った「日本をまもる会」が反撃の拠点として建立を決意したものです。大碑の裏には「八紘為宇」(世界を1つの家とする)の文字が刻まれています。そして、毎年8月に「大東亜聖戦祭」が行われているとか。先の戦争をどうとらえるかというせめぎあいは、常に行われているのです。



 スーパーシティ再提出を求められる!
 小田原市をはじめ、全国31の自治体がスーパーシティの提案を政府に提出していました。そして、夏までに区域指定を目指していましたが、区域指定に関する政府の専門調査会が自治体からの提案に不満を表明。全ての自治体に再提出を求めることになり、区域指定が10月以後に先送りされる事態となっています。
 強烈な規制緩和を迫る方向で
 すでにお知らせしたとおり、スーパーシティとは、国家戦略特区による規制緩和とAI(人工知能)などの先端技術であらゆる情報を集積し、それを利用して民間企業が制約なく活動することを狙うまちづくりです。プライバシーの侵害や監視社会になることなどが懸念されています。 今年4月までに全国の31自治体が提案した内容は「自動運転」「空飛ぶ車」「遠隔医療」「AI活用による医療サービス」などです。 それらを審査する専門調査会では、強烈な規制緩和を迫る立場から不満や批判が続出。「これが本当にスーパーシティなのか。補助金狙いの申請みたいだ」「(スーパーシティに異を唱える)例外者をちゃんと説得して、強制力を持って全体最適でやっていく覚悟を負うべきだ」「首長に来ていただきたい。来ないところは(区域指定は)遠慮願いたい」といった意見も出されました。
 全ての自治体が助言を受けて再提出
 調査会では、結論として、全ての自治体に「大胆な規制改革」を求めて提案の再提出を求めることになりました。その際、政府のワーキンググループが2か月程度をかけて、各自治体に個別に助言すると言います。 助言に関しては、次のような発言もあります。「岩盤規制という壁に穴を開けるのはかなり専門性が必要だと思うのですが、この専門な方『岩盤規制バスターズ』のような人がもっとメンタリング(指導者と受け手でマンツーマンの関係を築き、対話や助言によって気づきを与えること)に関わる、それがすごく大事です。このハンズオン(専門家から直接手取り足取り指導を受けること)のところに『岩盤規制バスターズ』の人が入って、そちら側に立ってメンタリングするというのがもう一つの提案です。」
 「再提出をやめよう!」と市に要求しよう

 スーパーシティ問題に詳しいアジア太平洋資料センター共同代表の内田聖子さは、ツイッター上で次のように発言しています。「国家戦略特区(及びスーパーシティ)の第一義的な目的は『規制緩和』だ。従って計画を評価する際に『まちづくり』という観点より『どれだけ大胆な規制緩和をするか』に重きが置かれる。自治体も規制緩和メニューを増やすことに力を注ぎ、住民生活の視点が弱くなる。政府はこの後2ヵ月ほどで自治体に計画を再提出させるという。すでに多くの自治体がコンサル企業に多額の経費を支払い、パートナー企業とも契約するなど資金・人材も投じてきている。そのうえさらに『出直し』となれば、コロナ対応もある中でかなりの負担となるだろう。スーパーシティは一度決まると後戻りできない。全国31の応募自治体の方は、これを機に行政府や議会に『再提出はやめよう』と働きかけたらどうだろうか。国は応募自治体に『もっと強烈な規制緩和をする案を持ってこい』と要求しているわけで、放っておけば住民の利益と程遠いおかしな計画が再提出されかねません。」

 ご意見はこちらに
  小田原市企画部:デジタルイノベーション課 電話 0465-3 3-1264

 

政治を変えるチャンス 4野党共通政策
 皆さんすでにご存知のように、9月8日、立憲民主党、日本共産党、社民党、れいわ新選組の野党4党と「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」は、次の総選挙で自公政権を倒し、命を守る新しい政権の実現を目指す野党共通政策に合意しました。野党が協力し合えば、衆院選の小選挙区でも勝ち目があります。まさに政治を変えるチャンスです!
 神奈川の自宅療養者16,060人!
 コロナウイルス感染者で、自宅療養に追い込まれた人が、神奈川県では、16060人にまでなった日があります(8月27日)。1万人を超えたのは、8月6日から9月5日まで31日間も続きました。県のホームページで検索可能な自宅療養者は、去年の12月1日以降最低でも400人以上で、ゼロになった日は1日もありません。 これは病院・病床の削減が政府の方針であったために起こったことです。先月号でお知らせしたとおり、驚くべきことに、政府は、現在もさらに削減しようとし、削減する自治体にお金をだすとしています。
 公立病院民営化も政府の選択肢
 小田原市立病院が「地方公営企業法の全部適用」に変わったのも、国の「公立病院改革ガイドライン」によるものです。「新公立病院改革ガイドライン」を読むと、「経営形態の見直し」というテーマのもと、「考えられる選択肢」として、・地方公営企業法の全部適用・地方独立行政法人化・指定管理者制度の導入・民間譲渡などが挙げられ、改革プランを策定し、実施状況の点検・評価もするよう求めています。地方が国に迫られているわけです。
 スーパーシティも国の方針

 スーパーシティも国が進めているものです。先月号で紹介した守屋市長の「第6次小田原市総合計画行政案」にある自治体の改変(公共サービスの提供を民間や地域団体に任せて、自治体はその管理者に変える。そのことにより、自治体職員を半減させられる)も、国の「自治体戦略2040構想研究会」が出した方向に沿ったものです。

 地方に自治はあるのか?
 こうして見てくると、「小田原市のことは小田原市が決める」ということができにくくなっていることが分かります。イギリスの法学者・歴史学者・政治家であるジェームズ・ブライス氏は「地方自治は民主主義の最良の学校である」という名言を残していますが、日本の地方自治は、国による「アメ(お金)とムチ(点検)の政策」によって、破壊されつつあると言えます。
 国政を変えれば市政も変えられる!
 今度の衆院選は、だからこそ、大きなチャンスです。野党による政権が誕生すれば、すぐにとは言えませんが、今まで書いてきたような政策が大きく変えられることになります。  合意した共通政策 4野党と市民連合が合意し「その実現にも全力を尽くします」と宣言した共通政策の主なものは次のとおりです。誤解のないように短くしたつもりですが、正確には原文をご覧ください(「市民連合」のホームページ参照)。今度の衆院選は、 だからこそ、大きなチャンスです。野党による政権が誕生すれば、すぐにとは言えませんが、今まで書いてきたような政策が大きく変えられることになります。  合意した共通政策 4野党と市民連合が合意し「その実現にも全力を尽くします」と宣言した共通政策の主なものは次のとおりです。誤解のないように短くしたつもりですが、正確には原文をご覧ください(「市民連合」のホームページ参照)。
1.憲法に基づく政治の回復
 ・安保法制などの違憲部分を廃止
 ・コロナ禍に乗じた憲法改悪に反対
 ・核兵器禁止条約の批准を目指す
 ・沖縄辺野古での新基地建設中止
2.科学的知見に基づく新型コロナウイルス対策
 ・医療費削減政策を転換
 ・医療従事者等の待遇改善を急ぐ
 ・倒産、失業などの打撃を受けた人・企業を救う
3.格差と貧困を是正
 ・ワーキングプアをなくす
 ・誰もが人間らしい生活を送れるよう公的支援を拡充する
 ・消費税減税、富裕層の負担を強化
4.地球環境を守るエネルギー転換と地域分散型経済システムへの移行
 ・再生可能エネルギーの拡充 
 ・石炭火力からの脱却と原発のない社会
 ・自然災害から命とくらしを守る
 ・農林水産業支援、食料安全保障の確保
5.ジェンダー平等
 ・選択的夫婦別姓制度、LGBT平等法制定
 ・ジェンダー平等の視点から家族制度、雇用制度を見直す
 ・議員間男女同数化(パリテ)を推進する
6.公平透明な行政の実現
 ・森友、加計、桜疑惑などの真相究明を行う
 ・日本学術会議会員を推薦通り任命する
 ・公正な公務員人事を確立する

小田原革新懇「新春の集い」
 今年度も、学習と交流の集いとします。
<学習テーマ>私たちの預金は何に使われているのか
 ~社会を変えるために私たちができること~

日時 1月10日(月) 午後1時開場         1時30分開会 4時終了予定
 場所 尊徳記念館視聴覚室
 内容「どこに行ってる、私のお金?」   アジア太平洋資料センター作成DVD38分   ATMの向こうに広がっていたのは、地球を破壊し、人びとを傷つけるお金の流れだった。 気候変動を深刻化させる石炭火力発電、児童労働を伴うパーム油生産への資金提供を続ける日本のメガバンク。銀行を利用する私たちに問われている選択とは?
えっ? 水道民営化?!
 10月号の「広報おだわら」を読んだ読者から、「小田原は水道民営化になってしまうのではないか」との疑問の声が寄せられました。実際はどうなのか、調べてみました。
 「高田浄水場に民間活力の活用」!

「広報おだわら」には、「現在・局職員または委託」→「再整備後・DBO方式」と書いてあります。

 DBO方式とは何なのでしょうか。広報には「設計:Design-建設:Build-運営など:Operateを民間事業者のノウハウを活用して一括で行うもの」と説明されています。厚生労働省の「民間活用を含む連携形態に係る比較検討の手引き」によれば、「施設の設計、建設、維持管理、修繕等の業務一般を一体的に行うもの」ということです。「維持管理や修繕」まで含んでいることに注目する必要があります。

 宮城県が導入している公設民営化=コンセッション方式というものがあります。これは、「改正PFI法(2011年)に『公共施設等運営権方式』と明記されたもので、運営権を民間企業に売却するものです。したがって、企業の判断で運営権を売り払うこともできます。欧州で大きな問題を起こしている民営化そのものです。」(「水道、再び公営化!」岸本聡子・集英社新書)。小田原市のケースは、これとは違います。しかし、結論的に言えば民営化に舵を切ったということになります。

「一部民営化ですね」(小川氏)

 以前、水道民営化の問題について講師として来ていただいた西湘地区自治体問題研究会の小川晃司さんに聞いてみました。 「一部民営化ですね。維持管理や修繕も民間に任せることになってしまうと、局員の技術の継承ができなくなる危険性があります。そうすると、やがて民間にすべて任せてしまおうという流れになることが心配です」実態を知ること、今後の動きを注視することが必要です。

 202億円、26年間もの業務委託

 もう少し実態を知るため、立憲民主党の小谷議員と、日本共産党の横田議員に問い合わせてみました。横田議員からは市議会に出されたたくさんの資料をいただきました。それによると、

★設計建設業務は=2030年3月まで。
★運転維持管理業務=2023年4月から2048年3月まで何と、26年間にも及びます。
★見積上限価格=202億900万円(消費税、地方消費税除く)にも上ります
(建設経済常任委員会資料より)


公募はプロポーザル方式
 事業者選定についてもすでに進みつつあります。事業者の選定といっても、複数の企業等により構成されるグループとなります。設計企業、土木建築企業、機械設備企業、電気設備企業、維持管理企業といくつもの会社が必要になるからです。(以上、建設経済常任委員会資料より) 公募型プロポーザル方式というのは、「技術的に高度」もしくは「専門的な技術が要求される」業務の発注に使われる発注形式です。業務を受注したい事業者は一定のテーマに基づいて金額や方針を提案し、発注者は提案された内容を総合的に評価して受注者を決定します。提示した価格だけで決まるのではない点が、一般の入札と違うところです。
 すでに実施している自治体と問題点
 厚生労働省の水道課による2019年の調査によると、DBO方式での先行取り組みは、次の8案件です。 ★会津若松市滝沢浄水場等
 ★見附市青木浄水場
 ★松山市かきつばた浄水場等
 ★四国中央市中田井浄水場
 ★佐世保市山の田浄水場
 ★大牟田市・荒尾市ありあけ浄水場
 ★函館市赤川高区浄水場
 ★北九州市排水監視システム
 このうち、四国中央市では、工期が予定より半年遅れる事態になり、無所属の篠永誠司議員が、「延長することによって、工事金額についての増減はあるのか」という質問をしています。答弁では「増額は発生しない」としていますが、そんな心配も起こります。
 上には入っていませんが、枚方市中宮浄水場もDBO方式で進められています。議会では立憲民主党の奥野みか議員が、「入札参加者が複数者とならず、競争性を確保できていない」ことを問題にしています。日本共産党の松岡ちひろ議員は、「維持管理業務を委託してしまうことで、市の職員のスキルが低下し、いざという時に対応できなくなってしまうのではないか」と懸念を示しています。
 10月3日の和歌山市の水管橋の崩落事故や7月31日の小田原の水道管破裂などがあったばかりですから余計心配です。
 民営化に踏み切ったのか
 立憲民主党の小田原市議会、小谷議員に問い合わせたところ、水道局に文書で質問をしてくれました。水道局が質問に答えていますので、概要を紹介します。
 「高田浄水場以外の施設の大規模更新や管路の更新・維持管理については従来どおり局職員による直営作業や個別委託を継続し、水道料金設定を含む水道事業運営は本市が引き続き実施するものです。水道事業の民営化については、コンセッション方式をイメージされていると思われますが、同方式は施設の維持管理に加え、例えば水道料金の賦課徴収のような水道事業経営の根幹となる領域まで民間事業者へ委託するものであり、本事業とコンセッション方式とは事業の本質及び目的が全く異なるものです。現時点で本市においてコンセッション方式の導入予定はございません。
 職員のスキルの継承はできるか
 この質問には直球では答えていません。紹介します。 「高田浄水場等の運転管理業務については、既に平成25年度から外部委託しており、2期10年間にわたって実施しております。再整備事業では、これらの運転管理業務にくわえて、現在の局職員による直営作業や個別委託により行っている水源地や配水池等の場外施設の維持管理についても委託業務範囲の拡大をしますが、災害などの緊急時対応や局職員の技術継承のため、片浦地区については一部の業務を除いて局職員による直営体制を継続いたします。また、事業者選定においては本市と事業者間における技術継承に関する提案を求めており、事業者と連携強化することで、局職員の技術水準の確保に努めるものです。」(水道局の回答は以上です)。
 そもそもなぜ「民営化」? ところで、なぜ民営化の話が出てきたのでしょうか。それは、全国の水道管が老朽化しているからです。10月7日に起きた震度5強の地震で、都内23か所で水漏れが起こりました。水道管の多くは、1960~70年に整備されました。法定耐用年数は40年なので、全国72万㎞(地球18周分)の水道管のうち、12万7千㎞が耐用年数を経過しています。更新するには1kmで1億~2億円かかると言われています。 水道料金を値上げしないと対処ができません。そこで政府が、水道事業に民間企業の参入を促すことで、公的な負担を減らすことができると強調し、水道法を「改正」して民間が参入できるようにしたのです。しかし、欧州をはじめとする世界各地では、民営化によって水道料金の高騰や水質の悪化などさまざまな問題が発生し、再公営化が進められようとしています。公営であるからこそ、住民がコントロールできることを忘れてはいけません。
 世界で「水道再公営化」の動き広がる
 1980年代の新自由主義改革以降、欧州の水道事業は民営化路線を歩んできました。しかし、今、欧州を中心に世界では、水道再公営化の動きが広がっています。 小田原の民営化の問題も、世界に視野を広げながら考えましょう!
 民営化で水質悪化と値段の高騰
 民営化により、水質の悪化があちこちで見られました。1990年代、民営化されたイギリス・ロンドンでは、赤痢患者が急増しました。フランス・パリでは、コンセッション方式導入後、煮沸しなければ水道水が飲めない事態となりました。1999年、アメリカ・アトランタでは、水道事業者自体が、水道水の煮沸を呼び掛ける事態となりました。 また、水道料金の値上げが相次ぎました。 パリでは1985年に民営化され、2009年までに265%も値上がりしました。フィリピン・マニラでは1997年から2018年までに1000%以上値上げし、料金が払えない場合には給水を停止しました。ルーマニア・ブカレストでは2000年から2015年までに1400%値上げしました。ポルトガルのパソス・デ・フェレイラ市では料金が4倍に高騰しました。民間企業は、社員の給与以外に役員への報酬や株主への配当などもコストとして発生するため、その分どうしても値上げせざるを得ないのです。そのため南アフリカのヨハネスブルクなど、低所得者が水道を利用できなくなるケースが増加しました。
 世界で再公営化の流れ加速
 1985年に民営化したパリは、2010年に再公営化し、翌年には料金を8%下げることに成功しました。再公営化の流れは、この後加速します。
 2015年にNGO「トランスナショナル研究所」が調査したところ、世界各国で235の水道事業が民営から再び公営に転じていました。人口にすると1億人を優に超える規模です。
 2017年の調査では世界33か国、267の再公営化が確認されました。この年の調査では、水道以外の重要な公共サービスの再公営化も進んでいることが明らかになりました。電力、地域交通、ごみ収集、教育、健康・福祉サービス、自治体サービスを加えた7分野です。水道も含めて、45か国835もの事例が集まりました。自治体数で言えば、1600以上の市町村に当たります。
 2019年の調査ではインターネットブロードバンドを含む通信サービスを調査対象に加えたところ1408件となりました。水道事業の再公営化は311事例にのぼりました。
〈コモン〉から始まる新たな民主主義
 欧州を中心に、今、こう名付けるべき民主主義運動が始まっています。〈コモン〉とは、民主的に共有され管理されるべき社会的な富のことで、水道、鉄道、公園といった社会的インフラストラクチャ―、報道、教育、病院などの制度、森林、大気、ひいては地球全体の環境が〈コモン〉と言えるでしょう。そうしたものを私的な所有に閉じ込めず、民主的に管理しましょうという運動です。
 もちろん、再公営化が民営化の流れを完全に覆すような趨勢になっているわけではありません。新自由主義という川の主流に比べれば、再公営化は支流にすぎません。しかし、人々が自らの手に〈コモン〉を取り戻そうという運動は、民営化の流れを変えるべく、日々積み重ねられています。
 こうした世界の状況に学びながら、小田原の市立病院の問題、水道の問題も考えたいものです。
★参考文献
「日本の『水』が危ない」(六辻彰二著・ベスト新書)
「水道、再び公営化!~欧州・水の闘いから日本が学ぶこと」(岸本聡子著・集英社新書)

 


2021年07月27日