市立病院の独法化を考える
 小田原市立病院が、地方独立行政法人化に向かっていることをご存知でしょうか。2021年度は、その第一歩として、「地方公営企業法の全部適用」が開始されます。
 今の市立病院は、「地方公営企業法の一部適用」となっています。「全部適用」となると一番大きく変わるのは、現在市長が行っている経営責任者を「管理者」が行うことになることです。市は「地方独立行政法人化ほどの経営の自由度はないものの、管理者に『職員の人事・給与』『予算』等の権限が付与され、より自立的な経営が可能になる」と説明しています。
 公立病院は、高度救急や周産期医療、小児救急、精神科救急、感染症対策など不採算医療(採算性が低く、民間病院では行われない医療)を担っています。それが「全部適用」、さらに独法化となると、独立採算を求められ、「経営」が課題とされるようになります。要は、お金儲けができないといけなくなるわけです。
 独法化されると、病院の職員が公務員でなくなります。給与も独自の制度に変わります。独法化された大阪府立病院では、看護師給与が40代以上の昇給なしになり、退職が相次ぎ、年中職員募集に追われました。また、個室が増え、料金が高くなるのをはじめ、各種手数料が高くなるなど、患者の負担が増えていきました。
 市は「独法化を視野に入れて」います。すでに独法化されている神奈川県立病院の現場に勤務する労働組合の執行委員長に独法化についてお話ししていただきます。皆さん、ぜひご参加ください。
 711日(日)14:00~16:30(13:30開場)
 会場/生涯学習センターけやき 4F 第2会議室
   最寄駅=小田原駅西口徒歩15分,小田急「足柄駅」徒歩15分
       大雄山線「井細田駅」徒歩15分
 講師/ 角田英昭さん(自治体問題研究所研究員)
 参加費/ 300円


 独法化の実態を見る
■大阪府立病院では…
 大阪府立病院は、独法化直後、前年度比17.2億円も収支を改善するなど独法化成功のモデルであるように宣伝されました。しかし、その実態は職員の処遇悪化による質の低下と患者への大幅な負担増です。
 その第一の特徴は、徹底した経営論理への転換です。パナソニック出身の副理事長は「病院運営から経営に変えていこう」と発言。電子カルテを見る看護師のパソコン画面には、毎日病床利用率が表示され、80%を切ると赤字表示に変わります。ある医師は「次第に儲けてなんぼというプレッシャーが強まり、病床利用率や在院日数に目標値を設け会議のたびに一喜一憂する風潮は医療になじまない」と話しています。
 第二に、職員、特に看護師の処遇の切り下げです。看護師給与は40代以上の昇級をストップしました。これを含む給与費の削減は17.3億円。収支改善とほぼ同額です。この結果、看護師の退職が相次ぎ、年中職員募集に追われ、非常勤職員が激増しています。
 第三は、患者への負担増です。独法化後、個室料金は7500円から15000円以上に。最高の部屋は6万円と、ホテルニューオオタニより高額です。緊急入院しなければならない患者が、27000円の個室しか空いていないと言われ「それだったら帰るわ」と言ったそうです。また、紹介状のない患者の初診料やセカンドオピニオン料、分娩料、自動車駐車料などが軒並み値上げされました。退職した医師が、「紹介したがん患者が息も絶え絶えにもかかわらず退院させられそうになった。在院日数の短縮で退院日が決まっているのだろうが、以前はこんな無茶はなかった」と話しているとのこと。

都立病院・独法化第1号
 都立病院・独法化第一号の健康長寿医療センター(板橋区、旧老人医療センター)では、病床が711床から550床に大幅削減されました。老人医療センターの時は差額ベッドの徴収が原則ありませんでしたが、独法化されて、141室で最高26000円の差額ベッド代が求められ、さらに入室時に10万円の保証金を支払わなければなりません。
 「健康長寿医療センターの過去・現在・未来調査委員会」の住民アンケートには「差額ベッドしか空いてない。お金があるかないかで医療の選択肢が狭まるのはつらい」(50代女性)、「貴重な老人専門なのでお金がかからないようにしてほしい。独法から戻してください」(60代女性)という声が寄せられています。
 健康長寿医療センターの元看護師は「看護師は全体が若くなる一方、30代以上の看護師を優遇しないことで離職者も増え、看護の質低下につながるおそれもある」と指摘しています。

■神奈川県では…
 2010年に神奈川県は、県立5病院(がんセンター、循環器呼吸器病センター、精神医療センター、こども医療センター、足柄上病院)を独法化しました。
 独法化の目的として、「安定した経営基盤を確立し、今後も担うべき役割を持続的に果たしていくため」「効率的かつ効果的」「より経済性を発揮することができる」(2018年1月26日「都立病院経営委員会報告」)ということが、どこでも言われます。
 ところが、神奈川県立病院機構の理事長による「通知」(令和2年度当初予算編成要領)には驚くべき記述があります。「平成30年度決算では、(略)25億1200万円の経常損失を計上と、繰越欠損額は94億6700万円を計上する危機的な状況になっており、医業収支比率、給与比率及び経常収支比率はいずれも年度計画の目標を達成することができなかったことから、収支改善に向けた取組みをより一層推進していく必要がある。」
 独法化することで、理事長自身が認めている「危機的」財政状況になってしまっているわけです。

東北アジアの平和をどうつくるか

4月29日(木)14:00~16:30(13:30開場)
会場/城北タウンセンターいずみ ホール
 最寄駅=大雄山線「飯田岡駅」徒歩10分,小田急「富水駅」徒歩15分
講師/ 浅井基文さん(元外交官、政治学者)
参加費/ 500円(資料代)

●中国や朝鮮の「脅威」を口実にした「敵基地攻撃力保有」を突破口に「安倍なき安倍改憲」に突き進む菅政権。「気候正義」を視野に入れた新しい社会の構想において、「東北アジアの平和をどうつくるか」という問題は避けて通ることができません。例年は憲法記念日ですが、今年は、「昭和の日」に、元外交官である浅井基文さんに縦横に語っていただきます。
●中国・朝鮮の「脅威」、テロ活動を口実にした「安全保障」論はまやかしであること、日本が行なった侵略戦争・植民地支配の反省のうえに9条を始めとした日本国憲法の平和的民主的条項がつくられたこと、日本軍「慰安婦」問題も強制連行・強制労働の問題もこの歴史認識の視点から考える必要があること、海外で戦争ができる軍事大国化とグローバル競争国家化・雇用の不安定化・社会保障の切り捨ては一体のものであること...、学びたいことはたくさんあります。学び行動することによって改憲阻止の展望を切り開きましょう。

お知らせ

2020年02月12日
サイトをリニューアルしました。
2020年02月15日
消費税率5%への引き下げを求める請願
2020年03月22日
安倍9条改憲NO!全国市民アクション