スーパーシティ再提出を求められる!
 小田原市をはじめ、全国31の自治体がスーパーシティの提案を政府に提出していました。そして、夏までに区域指定を目指していましたが、区域指定に関する政府の専門調査会が自治体からの提案に不満を表明。全ての自治体に再提出を求めることになり、区域指定が10月以後に先送りされる事態となっています。
 強烈な規制緩和を迫る方向で すでにお知らせしたとおり、スーパーシティとは、国家戦略特区による規制緩和とAI(人工知能)などの先端技術であらゆる情報を集積し、それを利用して民間企業が制約なく活動することを狙うまちづくりです。プライバシーの侵害や監視社会になることなどが懸念されています。
 今年4月までに全国の31自治体が提案した内容は「自動運転」「空飛ぶ車」「遠隔医療」「AI活用による医療サービス」などです。
 それらを審査する専門調査会では、強烈な規制緩和を迫る立場から不満や批判が続出。「これが本当にスーパーシティなのか。補助金狙いの申請みたいだ」「(スーパーシティに異を唱える)例外者をちゃんと説得して、強制力を持って全体最適でやっていく覚悟を負うべきだ」「首長に来ていただきたい。来ないところは(区域指定は)遠慮願いたい」といった意見も出されました。
 全ての自治体が助言を受けて再提出
 調査会では、結論として、全ての自治体に「大胆な規制改革」を求めて提案の再提出を求めることになりました。その際、政府のワーキンググループが2か月程度をかけて、各自治体に個別に助言すると言います。
 助言に関しては、次のような発言もあります。「岩盤規制という壁に穴を開けるのはかなり専門性が必要だと思うのですが、この専門な方『岩盤規制バスターズ』のような人がもっとメンタリング(指導者と受け手でマンツーマンの関係を築き、対話や助言によって気づきを与えること)に関わる、それがすごく大事です。このハンズオン(専門家から直接手取り足取り指導を受けること)のところに『岩盤規制バスターズ』の人が入って、そちら側に立ってメンタリングするというのがもう一つの提案です。」
 「再提出をやめよう!」と市に要求しよう
 スーパーシティ問題に詳しいアジア太平洋資料センター共同代表の内田聖子さは、ツイッター上で次のように発言しています。
「国家戦略特区(及びスーパーシティ)の第一義的な目的は『規制緩和』だ。従って計画を評価する際に『まちづくり』という観点より『どれだけ大胆な規制緩和をするか』に重きが置かれる。自治体も規制緩和メニューを増やすことに力を注ぎ、住民生活の視点が弱くなる。政府はこの後2ヵ月ほどで自治体に計画を再提出させるという。すでに多くの自治体がコンサル企業に多額の経費を支払い、パートナー企業とも契約するなど資金・人材も投じてきている。そのうえさらに『出直し』となれば、コロナ対応もある中でかなりの負担となるだろう。スーパーシティは一度決まると後戻りできない。全国31の応募自治体の方は、これを機に行政府や議会に『再提出はやめよう』と働きかけたらどうだろうか。国は応募自治体に『もっと強烈な規制緩和をする案を持ってこい』と要求しているわけで、放っておけば住民の利益と程遠いおかしな計画が再提出されかねません。」

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  小田原市企画部:デジタルイノベーション課 電話 0465-3 3-1264

 政治を変えるチャンス 4野党共通政策
 皆さんすでにご存知のように、9月8日、立憲民主党、日本共産党、社民党、れいわ新選組の野党4党と「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」は、次の総選挙で自公政権を倒し、命を守る新しい政権の実現を目指す野党共通政策に合意しました。野党が協力し合えば、衆院選の小選挙区でも勝ち目があります。まさに政治を変えるチャンスです!
 神奈川の自宅療養者16,060人!
 コロナウイルス感染者で、自宅療養に追い込まれた人が、神奈川県では、16060人にまでなった日があります(8月27日)。1万人を超えたのは、8月6日から9月5日まで31日間も続きました。県のホームページで検索可能な自宅療養者は、去年の12月1日以降最低でも400人以上で、ゼロになった日は1日もありません。
 これは病院・病床の削減が政府の方針であったために起こったことです。先月号でお知らせしたとおり、驚くべきことに、政府は、現在もさらに削減しようとし、削減する自治体にお金をだすとしています。
 公立病院民営化も政府の選択肢
 小田原市立病院が「地方公営企業法の全部適用」に変わったのも、国の「公立病院改革ガイドライン」によるものです。「新公立病院改革ガイドライン」を読むと、「経営形態の見直し」というテーマのもと、「考えられる選択肢」として、
・地方公営企業法の全部適用
・地方独立行政法人化
・指定管理者制度の導入
・民間譲渡
などが挙げられ、改革プランを策定し、実施状況の点検・評価もするよう求めています。地方が国に迫られているわけです。
 スーパーシティも国の方針
 スーパーシティも国が進めているものです。
先月号で紹介した守屋市長の「第6次小田原市総合計画行政案」にある自治体の改変(公共サービスの提供を民間や地域団体に任せて、自治体はその管理者に変える。そのことにより、自治体職員を半減させられる)も、国の「自治体戦略2040構想研究会」が出した方向に沿ったものです。
 地方に自治はあるのか?
 こうして見てくると、「小田原市のことは小田原市が決める」ということができにくくなっていることが分かります。イギリスの法学者・歴史学者・政治家であるジェームズ・ブライス氏は「地方自治は民主主義の最良の学校である」という名言を残していますが、日本の地方自治は、国による「アメ(お金)とムチ(点検)の政策」によって、破壊されつつあると言えます。
 国政を変えれば市政も変えられる!
 今度の衆院選は、だからこそ、大きなチャンスです。野党による政権が誕生すれば、すぐにとは言えませんが、今まで書いてきたような政策が大きく変えられることになります。
 合意した共通政策
4野党と市民連合が合意し「その実現にも全力を尽くします」と宣言した共通政策の主なものは次のとおりです。誤解のないように短くしたつもりですが、正確には原文をご覧ください(「市民連合」のホームページ参照)。

1.憲法に基づく政治の回復
 ・安保法制などの違憲部分を廃止
 ・コロナ禍に乗じた憲法改悪に反対
 ・核兵器禁止条約の批准を目指す
 ・沖縄辺野古での新基地建設中止
2.科学的知見に基づく新型コロナウイルス対策
 ・医療費削減政策を転換
 ・医療従事者等の待遇改善を急ぐ
 ・倒産、失業などの打撃を受けた人・企業を救う
3.格差と貧困を是正
 ・ワーキングプアをなくす
 ・誰もが人間らしい生活を送れるよう公的支援を拡充する
 ・消費税減税、富裕層の負担を強化
4.地球環境を守るエネルギー転換と地域分散型経済システムへの移行
 ・再生可能エネルギーの拡充 
 ・石炭火力からの脱却と原発のない社会
 ・自然災害から命とくらしを守る
 ・農林水産業支援、食料安全保障の確保
5.ジェンダー平等
 ・選択的夫婦別姓制度、LGBT平等法制定
 ・ジェンダー平等の視点から家族制度、雇用制度を見直す
 ・議員間男女同数化(パリテ)を推進する
6.公平透明な行政の実現
 ・森友、加計、桜疑惑などの真相究明を行う
 ・日本学術会議会員を推薦通り任命する
 ・公正な公務員人事を確立する